海外の反応アンテナ｜ホル韓

米MD編入の際の、韓国損益計算書


韓米、北朝鮮に対する抑止力強化「得」････韓中友好大きく弱体化「損」

「MD参加か拒否か…米国か中国か」しばらく落ち着きを見せていた韓国の米ミサイル防衛（MD）システムへの編入議論にまた火が付いている。最近、米国は、相次いでMDの核心迎撃体系であるTHAADシステムの韓国配置を言及するなど、韓国のMDシステム編入を促している。THAADの韓国配置を反対する中国は「韓半島にMDを配置することは地域の安定と戦略的バランスに利がない」とし、強力に反発している。我が政府はMD編入論議に繋がるTHAADの韓半島配置と関連して「在韓米軍配置は韓米間の協調によって決定される事案」だとしながらも「私たちがTHAADを直接購買する計画はない」と線を引いている。超大国の米中が相反する圧迫の中で、韓国の選択肢は日増しに縮小されている。


◆米中圧迫の中で'MDジレンマ'に陥った韓国

北朝鮮の核・ミサイルの脅威のみを考慮すれば、韓国のMD参加への選択は問題がない。米国が日本と手つないで推進中の北東アジアMDに韓国が参加するとなれば、韓米同盟強化や対北朝鮮抑止力強化面では利を得るだろう。米国と日本は、このような韓日米3角協力を願っている。民主主義・市場経済体制である米・日とは、我々も多くの中核利益を共有している。併しMD問題では中国・北朝鮮の変数を考慮せざるを得ない。大陸、海洋勢力の接点に位置した韓半島の地政学的条件の中で韓半島統一を実現しなければならないためだ。

韓国政府の立場で、中国は協力対象であると同時に「潜在的」脅威対象だ。韓日関係発展はもちろん、南北関係の改善と北朝鮮の核放棄、改革・開放を誘導するために韓国は中国と緊密な関係を維持していく必要がある。しかし、米国と覇権争いをしている中国は北朝鮮の後見国で、状況によって韓国の潜在的な安保の脅威として台頭することもある。韓日米MD協力は中国の潜在的な安保脅威の対応力を強化することに繋がるだろう。しかし韓中友好協力を大幅に悪化させる可能性が大きい。国際安全保障の分野に精通した朱鋒北京大学の教授は「もし韓国が日米主導のMDに加入すると、中国人民解放軍を完全に崖っぷちに追い込むだろう」とし「MDは韓中友好のマジノ線」と警告したことがある。

韓日米MD協力の際に日本に対する国民感情も韓国の選択を困難にする要素だ。日本の安倍内閣の相次ぐ妄言と深刻な歴史歪曲、独島領有権主張と憲法解釈による集団的自衛権行使などで、韓国国民の反日感情は、依然として強力な状況だ。このような状況で韓日米MD協力を通じて韓国の軍事情報を日本に提供することが政府の立場では少なからぬ負担になる可能性がある。


◆'戦略的な曖昧性'維持し、MD参加決定留保しなければ

北朝鮮の弾道ミサイルのうち、韓国にとって最も脅威的なものは、射程300∼700キロのスカッド系列の短距離ミサイルである。これに比べて日本は、射程1300キロのノドンミサイルや射程3000キロ以上のムスダンミサイルなどの中距離ミサイルを、米国は射程距離1万キロ以上で米国本土まで届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)を懸念する。韓国に必要なMD体系と日米間に必要なMD体系の基本目標に大きな違いがあるのだ。このような観点でみると、北朝鮮の核・ミサイルの脅威は現在、国防部が推進する終末段階下層防御中心の韓国型ミサイル防御(KAMD)システム構築だけでも対応が可能である。しかし北朝鮮のミサイルの探知・識別・追跡・迎撃の過程で米国の協力なしではKAMDがきちんと作動しないものも厳然たる現実である。迎撃ミサイルに装着された精密誘導システムのほとんどがGPS情報に依存しているため、米国のGPS情報なしには効率的な作戦を行うには限界があるという指摘だ。軍当局もこのためにKAMDを構築はするが、米国のMDと「相互運用性」を確保すると明らかにしている。KAMDと米国のMDの連携が避けられないという意味だ。

専門家たちの間でも「いっそMDシステムに編入することが資本や時間を削減することができるだろう」「MD編入に、天文学的な費用が必要」と甲論乙駁の議論が展開されている。

キム·ジョンデ ディフェンス21+編集長は「日本が初歩的なMD基盤を備えるうえで、11兆ウォンが必要で、最初は「研究開発」レベルで開始したが、今では初めから迎撃ミサイルの開発や訓練、共同作戦まで一緒にしている」「一度足を踏み入れると、簡単に脱け出すことができないのがまさにMD」と指摘した。

このような損益計算を総合して考えれば、韓国のMD参加の決定は、解きにくい高次方程式だ。参加と拒否、どちらを選択しても厳しい負担と課題に直面するからだ。

これに対してオム研究委員は「（このような損益を）総合的に考慮する際、韓国政府の立場ではKAMDに立脚して韓米MD協力の余地を模索するものの、決定的な選択の決断以外では、今までのように「戦略的な曖昧性」を維持しながら、韓日米MD協力への本格的な参加に関する決定を留保する戦略を駆使することが有益である」と助言した。

オム委員はさらに「韓国政府は韓米日MD協力の様相を直視し、国家利益のレベルで損益計算書を作成して、これを土台にした米日MDの協力問題に対する対策を徹底的に準備しておかなければならない」と付け加えた。


引用：ネイバーニュース/世界日報
http://news.naver.com/main/read.nhn?oid=022&sid1=100&aid
=0002677600&mid=shm&mode=LSD&nh=20140610213551