韓国のネット掲示板に「日本の防衛省がF-35 MRO誘致に関する公式の立場を説明」というスレッドがあったので紹介します。
日本の防衛省がF-35 MRO誘致に関する公式の立場を説明
引用:chosun.com
http://goo.gl/xAWO4D
>>>記事の翻訳
日本の防衛省が公式の立場を示したのでアップしておきます。
米国政府によるF-35アジア太平洋地域整備拠点に対する発表について
米国政府は12月17日(水)(米国東部時間)、アジア太平洋地域におけるF-35の整備拠点(リージョナル・デポ)について、
・機体の整備拠点については、2018年初期までに日本及びオーストラリアに設置すること
・エンジンの整備拠点については、2018年初期までにオーストラリアに設置し、追加的な所要に対応するため3~5年後に日本にも設置することを決定した旨公表しました。
日本における機体のリージョナル・デポについては三菱重工業株式会社(愛知県:小牧南工場)、エンジンのリージョナル・デポについては株式会社IHI(東京都:瑞穂工場)を予定しています。
なお、リージョナル・デポにおける具体的な整備の対象機や整備の作業内容等については、今後米国政府等と調整を進めてまいります。
(参考)リージョナル・デポについて
◯ リージョナル・デポにおいては、F-35の機体・エンジンの重整備(分解・検査を要する整備作業等)を実施する予定。
◯ 米国政府は、F-35について全世界的な運用が予想されるため「北米・欧州・アジア太平洋」地域において、機体・エンジンを中心とした整備拠点を設置する構想。
2014年12月18日 防衛省
>>>韓国人のコメント
韓国人 日本は既に多くを学び、日本独自のステルス機開発に支障がありません。現在のロシア経済悪化を見ると、以前のように兵器の技術導入のチャンスが、韓国にめぐって来るかもしれない。PAK FAが欲しいところです。 管理人補足:
このコメントの意味は、過去、韓国はソ連時代に金を貸していましたが、ソ連の崩壊に伴うロシア経済の混乱で、この借りた金を返せなくなり、ロシアはキャッシュではなく、代わりに軍事技術や兵器を韓国に引きわすことで相殺することを提案し、韓国もこの話に乗りました。これが「ヒグマ事業」と呼ばれています。
韓国はヒグマ事業を通じて、当時最新鋭だったT-80U戦車やBMP-3歩兵戦闘車、レーダー技術や、弾道ミサイルの技術を手にしたと言われています。
韓国人 T-80Uの後続支援で、火傷をした韓国軍が主力兵器としてロシア製を改めて導入するかな? 戦車や戦闘機などは特に・・・
韓国人 余談だがロック氏の話によれば、F-35が整備のために韓国を離れることはないと言っていた。その話が本当なら、機体整備に関する施設を韓国にも作ることができると言うことじゃないのか? 管理人補足:ロック氏とは?
ロッキード社のこと。ロッキード社は韓国がF35を導入する見返りに、様々な特典を付けている。技術移転から、KFX開発のサポート、軍事衛星を1基打ち上げて韓国にプレゼントするなど、結構怪しい特典満載。
その中に、韓国のF35は整備のために韓国を離れることはないと発言したので、今だにその発言が「韓国に整備拠点が出来る説」温床となってる。
韓国人 ロック氏の話を信じない方たちは完全に無視できる話だね。
韓国人 ロック氏の話を信じれば、そのような論理も成立するかもしれません。しかし最初からライセンス生産したほうが誘致しやすかったと言う論理も成立します。オーストラリアのMRO誘致が難しいと予想したのは、F-35関連施設が全く無い状態で選定されれば、イタリアや日本のように大規模なインフラ構築が必要となって、両国を見ても10億$以上の費用が必要だと言う。大韓航空施設の片隅に設置出来るかもしれないが、イタリアや日本が米国の要求によって、セキュリティが強化された専用施設を建設してるのを見ると・・・ 韓国人 ライセンス生産が様々な面で有利だ。ただF-35は「ライセンス生産」という用語を使わずに「最終組立生産」と言います。日本の場合100~140機までの大量保有を構想しており、オーストラリアも100機ほどと需要が高い。私たちも100機くらいは必要としているが、空軍は金がないといって、ほぼ諦めている状態です。
韓国人 オーストラリアがF35を100機導入と言ってる方が多いけど、4月の追加発注分を含めて72機導入に縮小されたよ。
韓国人 どうせ韓国はいくら騒いだ所で、MROは誘致はできません。現実の直視すべきだ。米国、日本、オーストラリアと、韓国はレベル自体が異なるからね。もう日本が海の底に消えない限り、韓国のステージアップは望み薄だ・・・ 韓国人 地域整備拠点と機体整備は同じ意味ではない。機体整備には一般整備も含まれますが、一般整備まで外国で受けなければいけない機体を維持できる国があるのか? 常識的に不可能な話だ。一般整備は間違いなく国内で行われるはずだ。メーカーも韓国軍もそう言っているし・・・ 韓国人 ところで、どうして日本で整備を受けられないのか? 良く国民感情の為だというが、その国民感情と言うものは日本に整備を任せたくないという単純なものか? そうではなければ技術的な秘密でもあるのか? 日本とは貿易を行い、物を売り買いもしているが、修理するのは嫌だというのは話にならないよ。それとも私たちのF-35と日本のF-35は、技術的に異なる機体で、日本に行って整備すると、その秘密がバレたりするのか? いったいどんな理由で日本での整備を問題視しているのか答えられる奴がいるなら答えてみろ。感情論や個人の好き嫌いで答えるのだけは止めてね。 >>>管理人の補足
もうF35の整備ネタはお腹いっぱいになったので、これで最後にします。
というわけで少しF35の整備に関する情報を広く浅く整理しておきます。今までホル韓のF35ネタを読んで頂いている方には、同じ内容になると思いますので読み飛ばして貰って結構です。
F-35は、既存のどの戦闘機と比べても異なる(整備や運用面で)思想で作られていて、ステルス機という軍事機密を、どのようなやり方で扱えば軍事機密をコントロールしつつ、世界に向けて売りさばく事ができるのか? これがある意味、F35の裏テーマだと言えます。
日本のライセンス生産について
日本は以前から、F-4やF15をライセンス生産してきました。しか今回のF35のライセンス生産は以前と比べ内容が大きく異なります。どのあたりが異なるかと言うと・・・
F15のライセンス生産には、米国から支給された設計図は単位が「フィート」で、三菱はまず最初に「フィート」の設計図を「メール」の設計図に書き直すことから始めました。そして米国が輸出を禁じた一部の電子装置等以外は、全てを国産化して製造しました。これを行うことで米国の進んだ航空技術を吸収することが出来ます。
しかし今回導入するF35は、厳密に言えば「ライセンス生産」ではなく「最終組立」です。国内向けのF35のパーツを1から全て製造する訳ではありません。米国やその他の国で作られるF35のパーツを取り寄せ組み立てるだけです。但し日本は「日本向けの機体に使用される幾つかのパーツ(大体1割程度)を日本企業が製造するパーツに置き換える」了解を米国から取り付けました(きっとタダではなく部品のライセンス生産という形で費用を負担しているはずです)
このようにF15をライセンス生産した時とは違い、どちらかと言えば「ノックダウン生産」に近い形です。今後米国は過去のように、完全な「ライセンス生産」は認めないと思います。一つは、過去のように金と引き換えに技術を売り渡すと、機密の流出に歯止めが掛からなくなると言う点。もう一つは、戦闘機の高性能化と価格の高騰で、過去ほど売れにくくなっている(購入機数は減る一方で、購入価格は上昇する)ため「戦闘機開発⇒生産⇒保守」という一連の工程を米国で独占するためです。
F-35の整備について
F-35は、既存の戦闘機とは整備方式の概念が違います。簡単に違いを説明すれば・・・
F4やF15などは車検がなく自身がメンテナンスに責任を持つ「原付き方式」で、F35は車検があり、定期検査もある「自動車方式」に近い考え方です。
F35の一般的(運用国・部隊レベルでの)な整備は、整備士の腕や経験からくるカンを排除し「一定時間を超える」or「異常警報」がついた、コンポネートをごっそり取替えてしまいます。エンジンについても、一定の飛行時間を超えた時点、エンジンを降ろして、分解し点検整備をするのではなく、新しいエンジンか、整備済みのエンジンに交換するだけです。そして、取替えたコンポネートやエンジンは、整備拠点に送られ、そこで初めて中を開け分解し整備を行います。そして整備済みのパーツとして送り返します。
そして一定時間を経過したF35の機体は、車検のように定期検査を受ける必要があります。これは専用の施設でしか行えないため、イタリアか日本か米国の機体の整備拠点へ機体を持ち込む必要があります。さらにはステルス塗料の再塗装や、火器管制システム等のバージョンアップなどその都度、持ち込んで作業を行う必要が出てきます。
この方式の利点は、整備士の腕に関わらず一定の稼働率が比較的簡単に維持できるのと、各コンポネートやエンジンを全てブラックボックス化でき、容易には中身に触れさせないという点。能力向上などの開発費用を理論上、F35全機で負担するとすれば、1機辺りの開発コストは安上がりに済むという点
そして最大の裏利点として、米国及びロッキード社が整備費用を独占するという恐ろしい構造だと言う点。 簡単に言えばこんな感じですかね? もっとF35の整備にまつわる話は過去に記事化してあるので、興味のある方は「記事検索」で「F35」で検索して読んでみてください。
アホすぎてどうしようもない