もう泥沼化してきた感のある韓国のKFX。ノーベル賞の話題でお腹いっぱいの方にKFX事情をお伝えします。
そもそもの話を整理すると・・・
まずFX(次期戦闘機導入事業)は、ご存知のようにF-35を40機導入することで既に機種決定は済んでいます。ただし機種決定の際に、かなり怪しい決定をしました。
FXの候補はF-35とF-15SEとユーロファイターの3機種。3機種ともKFXへの技術移転をすると言う条件で、空軍が選択したのは「F-15SE」でした。空軍はFX事業で60機の戦闘機を必要としていました。しかし予算内で60機を揃えられるのはF-15SEとユーロファイターだけで、既にF-15K(F-15Eの亜種)を運用している韓国空軍としては、運用面を考えると「F-15SE」を選択したのは当然です。
しかし空軍の決定に意義を唱えたのは、国会や退役した空軍の将官達です。中国や日本がステルス機を開発しているのに、韓国だけ非ステルス機というのは不利だと言い出しました。退役した空軍の将官達は朴槿恵大統領に直訴までして決定を覆そうとしました。
結局、国防長官主催の会議で「ステルス性能が低い」と言う理由で「F-15SE決定」を白紙に戻し、空軍にもう一度機種選定をやり直すように命じました。
そもそもFX事業にステルス性能は求められていませんでした。ここで初めてFXに「ステルス性能が必要」とでてきたので、空軍としてはもう選択肢がありません。予算不足で40機(一応追加で20機導入予定)しか導入できないF-35を選ぶしかなかったんです。
FXの候補、F-35のロッキード社とF-15SEのボーイング社、ユーロファイターのエアバス社の3社ともKFXへの技術移転はOKと言われていたので、この時点でKFX(次期韓国型戦闘機開発事業)に必要な技術を確保したと国民とメディアは信じていました。
なぜF-35を導入したのか魔女狩りが始まる
しかしKFX(次期韓国型戦闘機開発事業)の蓋を開けてみると・・・
ご存知のようにロッキード社は「米国議会が許可するなら技術を移転してもよい」という内容で、当然、米国議会は「NO!」といいだしたので技術移転の話は行き詰まりました。
そうなると「技術移転をしてくれないF-35を何故選んだのか?」という犯人探しが始まりました。ある程度の常識をもった人ならF-15SEを選択していたら技術移転をしてくれたかというところで「F-35と同じ結果(議会が反対)」になるだろうと予想がつきます。
韓国ではF-15SEを提案したロッキード社は、米国議会の反対を回避するためにイスラエルの会社から技術移転を行うと提案していたという、眉唾な情報まで流れています。
要するに重要な軍事技術は技術を保有する会社の決定ではなく、米国議会が許可する否かにかかっていることが理解できていないので、F-15SEなら技術移転をしてくれたと言い出すのでしょう。(エアバスの場合、どうなるのかよくわからないのでスルーで。ただ欧州もしたたかなので・・・)
そして韓国の国防部は米国からの技術移転拒否がマスコミにばれると・・・
こんなこともあろうかと「Bプラン(国内開発)」を用意していたニダ!!! と言い出しました。「Bプラン」の内容に関して割愛・・・ しかしメディアと国民は「技術移転が無理なのを知っていながらF-35を選択した」と批判し始めます。
空軍にしてみれば技術移転の問題は置いておいたとしても、最初にF-15SEを選んでいたのに、政府が急に「ステルス性能」を要求したから、その意向(F-35を選べよ)を汲んで、無理(60機必要なのに)をしてまでF-35を選んだのにこの始末www
そして今回紹介した記事は、空軍の最初の決定を覆したと言われる政府の会議は「別に我々は何も決めていない。専門家から意見を聞いただけ」と逃げたという話です。もう空軍にF-35を選択した責任を押し付ける気なんでしょうwww
何度も言いますが、仮にF-15SE(ユーロファイターの場合は不明)を選んでいたとしても同じ結果だとは思いますが、頑なにF-15SEなら技術移転を受けられたのに、F-35を選んだ責任者は誰だと吊るしあげないと気がすまないようです。
本当にどうなるんでしょう?