浮石寺は銅観音菩薩坐像の所有権が3年を超えても定まらない中、仏像を取り戻すための訴訟を来週中にも提起されるものと見られる。
写真引用:忠清トゥデイ
浮石寺 観世音菩薩坐像訴訟まで秒読み「日本に奪わせない」
引用:忠清トゥデイ
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浮石寺は銅観音菩薩坐像の所有権が3年を超えても定まらない中、仏像を取り戻すための訴訟を来週中にも提起されるものと見られる。
12日、浮石寺の銅観音菩薩坐像奉安委員会(以下、奉安委)は、早ければ来週初めにも仏像に対する「流体動産返還請求訴訟」を進行すると明らかにした。
仏像は1350年〜1400年の間に倭寇の略奪によって、忠南瑞山にある浮石寺から日本の対馬観音寺に渡ったと推定され、2012年10月国内の窃盗犯によって韓国の地を再び踏んだ。
現在は「観音寺が正当に取得したことが確認されるまで仏像を返還しない」という2013年2月に裁判所が下した仮処分決定に基づいて、文化財庁が保管している。
今回の訴訟は、仏像を本来の所有先である浮石寺に取り戻すための訴訟だ。奉安委はこれまで韓日両国仏教界の協議を通して「平和的」な問題解決の方法を模索したが、最近、日本国内で不適切な世論が拡大しており、訴訟を進行することになったと説明した。
実際、右翼志向の産経新聞は、昨年7月16日の記事で「韓国の対応は、国際ルールを無視した暴挙と言うことができる」という内容を盛り込むなど強行な発言が続いている。
今月11日、日本のNHKは韓国文化財庁が作成した仏像関連の報告書を自国に有利に解釈し、11日「仏像が略奪されたことを断定するのは難しい」という内容を報道した。
報道に引用された報告書は、2014年に文化財庁が作成した「仏像再鑑定調査報告書」で、その調査報告書の作成 に参加した韓国美術史研究所長は、本紙との電話取材に「仏像が日本へ不法搬出された可能性は、報告書を作成した調査委員会のほとんどが同意したと言う内容」としながら「九州産業大学の菊竹淳一教授の著書などにも、仏像を略奪品と記述するなど、日本内部の資料を見ても略奪品であることが明らかである」と強調した。
奉安委が進める訴訟は、仏像の搬出経緯を日本の観音寺が立証すべきだと言う戦いを中心に展開されると予想される。国内では仏像が日本に不法搬出されたという状況と内容が続々と出てくる一方で、日本ではこれを合法的に入手したという主張があっても、その根拠は出てこないと言う意味である。
奉安委執行委員長は「不法搬出文化財に関し、世界的な傾向に基づいて、日本側が自分たちの主張を立証するのが正しい」としながら「多くの状況が仏像は不法に搬出された事を裏付けている。仏像が正当に日本に渡ったと主張し、これに対する根拠を提示しないのは理に合わない」と述べた。
>>>管理人補足
韓国人の反応はありませんが、興味深いので翻訳してみました。
先日、「日本が朝鮮から仏像を盗んだニダ!!! ⇒ 妄想でした ⇒ 韓国文化財庁「略奪にあった事を証明できない」by 韓国の反応」でお伝えした通り、韓国の文化財庁は「銅観音菩薩坐像が略奪による国外搬出の事実を見つけるのは難しい」という報告書を韓国の検察に提出済みで、日本へ返還を禁じた仮処分も、浮石寺が訴訟を起こさず3年が経過したため、いつでも「仮処分取消申請」を申請できる状況なので、近いうちに日本に仏像が返還されるのではないか?とNHKが報じました。
その報道がでた直後に、浮石寺が仏像の返還を求めて訴訟を起こすという記事の内容です。
この記事の書き方は、問題になっている「銅観音菩薩坐像」と、対象物を曖昧にした「仏像」という言葉を使い分けて、あたかも浮石寺側に正当性があるかのように書いてあるので、この話のポイントを簡単に整理すると・・・
現在、観音寺が所有している「銅観音菩薩坐像」は倭寇の略奪によって日本に持ち込まれた可能性が高いがそれを証明できないと韓国の文化財庁が言っているのを「自国に有利に解釈」したとして、「仏像が日本へ不法搬出された可能性は、報告書を作成した調査委員会のほとんどが同意したと言う内容」「九州産業大学の菊竹淳一教授の著書などにも、仏像を略奪品と記述するなど、日本内部の資料を見ても略奪品であることが明らかである」と言っていますが、「銅観音菩薩坐像」とは言っていません。
要するに多くの「仏像」が日本へ不法搬出された可能性があると調査委員会のほとんどが同意しても、「銅観音菩薩坐像」のみ限定した場合、日本へ不法搬出された「可能性」ではなく「明確な証拠」は調査委員会から提示されていません。「日本内部の資料を見ても略奪品であることが明らか」と言っても、「銅観音菩薩坐像」とは書かれていません。あくまで広範囲の「仏像」という言葉で曖昧に指定した範囲で、なんの根拠もない可能性であり「明確な証拠」ではありません。
このため韓国の文化財庁の報告書の最終結論として「銅観音菩薩坐像が略奪による国外搬出の事実を見つけるのは難しい」と解釈したことは概ね間違っていないと思います。
もし韓国が明確な証拠を出せるのなら「不法搬出文化財に関し、世界的な傾向に基づいて、日本側が自分たちの主張を立証するのが正しい」と要求する必要はありません。
とにかく「銅観音菩薩坐像」は現在、窃盗によって韓国に渡った状態なのは「明確」なので、学術的、歴史的にその所有権を争いたいのなら、一旦日本側に返還したあとにすべきでしょう。