北朝鮮のSLBM発射実験成功の後、政界と学界を中心に原子力潜水艦の導入の必要性が提起されている。
相手のSLBM搭載戦略原子力潜水艦を攻撃型原子力潜水艦で監視・追跡していた米国とソ連の事例を考えてみると、北朝鮮の戦略潜水艦への対応策として、原子力潜水艦を導入しようというのは適切な発想である。
原子力潜水艦があれば、北朝鮮の新浦基地近くの海中で「潜伏待機」しておき、北朝鮮の戦略潜水艦が出港すると、静かに追跡してSLBM発射の兆候が見られれば、すぐに魚雷攻撃で潜水艦を撃沈させてしまえるからだ。
問題は、原子力潜水艦の導入にあまりにも長い時間がかかるのに反して、北朝鮮のSLBM脅威は目と鼻の先に迫っていることだ。
すべての武器導入に手順がある。
軍の武器導入の要望に対して妥当性の検討を行い、設計と製作、試験評価などを経る必要があり、莫大な予算と高度な技術力を必要とする原子力潜水艦は、これらの手続きを経て登場するには、少なくとも10年以上かかる。
今すぐ軍が原子力潜水艦導入の要望をだしても、少なくとも10年間は、原子力潜水艦を手に入れることができないということだ。
直接開発することが時間的に負担になるのなら、導入までの時間を短縮させるために、原子力潜水艦を海外から購入するか、借りてくる方法も検討することができる。
米国の了解が得られれる場合は、英国やフランスから原子力潜水艦を購入したり、米国の退役した原子力潜水艦をレンタルする案も検討することができる。
英国が建造した新型原子力潜水艦アスチュート級は水中排水量約7800トンで、1隻あたり12億ポンド(約1兆7600億ウォン)、フランスが建造した新型原子力潜水艦バラクーダ級は水中排水量約5300トンで、1隻あたり13億ユーロ(約1兆6300億ウォン)程度で、従来の潜水艦に比べて非常に高価だ。
これらの潜水艦は、すでに開発が完了しているので、今すぐ発注すれば、数年以内に戦力化することが可能であるが、最小作戦単位である3隻を導入するには、少なくとも5〜6兆ウォンという莫大な予算が必要で、米国とIAEA、当該国の政府との外交的合意が必要である。
インドの事例のように原子力潜水艦をレンタルする案も検討することができる。
インドの場合、ロシアの水中排水量1万2770トンの攻撃用原子力潜水艦アクラ級を2隻をレンタルした。レンタル料は7〜10億ドル水準で、これは1兆ウォン前後である。
この案は、原子力潜水艦を最も急速に戦力化することができるという利点はあるが、いくつかの負担もある。
まず、攻撃用原子力潜水艦という戦略兵器を貸してくれる国を見つける必要がある。韓国はインドのようなロシアとの戦略的利害関係を共にする国ではないので、ロシアからレンタルすることは難しく、米国も予算不足のため潜水艦戦力の不足に苦しんでいる状況で、さらに中国と日本の反発が予想される原子力潜水艦を、簡単に韓国へレンタルしても良いと決定を下すのは難しい。
これらの条件を克服し、米国と国際社会を説得することは非常に難しいだろう。
さらに予算の負担も大きい。
30年ほど運用することができる1隻の原子力潜水艦を導入するのに必要な予算は、1.5〜2兆ウォン程度だが、原子力潜水艦を10年間レンタルする費用は、1兆ウォンを余裕で越えてくる。
1隻の潜水艦を常時作戦待機態勢に置くためには、少なくとも3隻の潜水艦が必要なので、今後10年間で3兆ウォン以上の予算が必要になり、これほどの予算を確保するための政治的合意は容易ではないようだ。
何よりも、韓国が原子力を利用した武器を持つようになる場合、必ず発生することになる国内の政治的混乱も少なくないだろう。これらの点を総合して見ると、今後10年以内に韓国海軍が原子力潜水艦を保有する可能性は非常に難しいと見える。
このように原子力潜水艦という「槍」をすぐに手に入れるのが難しいなら、「盾」だけでも素晴らしいものを備えなければなら。
幸いなことに、非常に優れた盾がすでに開発されて運用している。
まさにイージスBMDがそれである。
米国と日本が共同開発しているイージスBMDは、1990年代から開発が開始され、2000年代初頭から運用され始めたが、現在は改良に改良を重ねて、米国のMDシステムの中で最も「優秀」なシステムとして評価されている。
イージスBMDシステムが強力な理由は、米国が保有するほぼ全ての情報資産と迎撃資産がネットワークを通じて、リアルタイムに連動されるからである。
敵国が弾道ミサイルを発射すれば、最初に宇宙空間に配備された早期警戒衛星が弾道ミサイルの発射炎から、すべての飛行段階をリアルタイムで監視・追跡して、このミサイルが本物の弾頭を搭載しているのか、どのような飛行コースで、どこに向かって飛んでいくのかを計算してC2 BMCを通じて警報を出す。
早期警戒衛星が掴んだ弾道ミサイルの情報は、C2 BMCを通じて、全ての監視資産、例えばサードレーダーや海上配備Xバンドレーダー、早期警戒機、イージス艦などとリアルタイムで共有される。
イージス艦は、このデータをもとに射程距離700 km、迎撃高度500 km、マッハ10以上の性能を持つSM-3 Block IAミサイルを発射して、弾道ミサイルの迎撃を行う。
現在までに、このミサイルの迎撃成功率は90%以上を記録しているが、米国はこれに満足せず、2018年に射程距離2500 km、迎撃高度1500 km、マッハ15以上の速度性能を持つ新型のSM-3 Block IIAミサイルを登場させる予定である。
このようにイージスBMDは、様々な偵察資産と連動して、360度全方向を監視することが出来るので、地上配備型の迎撃ミサイルのような死角がない。
360度全方向を監視することが出来るので、北朝鮮がどの海に隠れて、どこからSLBMを発射しても探知および追跡、迎撃が可能だということだ。
韓国は既にイージス艦3隻を保有しているが、残念ながら、このイージス艦にはBMD能力がない。
この3隻にBMD能力を付与するのに必要な予算は、1隻あたり約4000億ウォン水準であり、日本の事例を参考した場合、契約から戦力化までは約2年の時間が必要である。
韓国が今すぐに予算を用意し、今年中に契約を締結し、改良工事に入るならば、北朝鮮がSLBMと戦略潜水艦を実戦配備する前に、私たちは、まずイージスBMDを確保することができる。
北朝鮮のSLBMという足元の火がついた以上、直ぐには実現が不可能な原子力潜水艦という「槍」よりも、SLBMを最も効果的に防ぐことができるイージスBMDという「盾」から急いで用意するべきではないか?
共感597 非共感117
韓米同盟の強化が答えである
共感095 非共感024 米国から退役する潜水艦を買ってくるほうが早い。中古潜水艦でも韓国の最新型潜水艦より性能は上だろう。 共感004 非共感002 なぜいつも盾ばかりなのか? いい加減、攻撃用兵器を準備しよう
共感055 非共感002 私が北朝鮮軍の司令官なら、潜水艦でイージス艦を仕留めて無力化してSLBMを発射するだろう。これは根本的な解決案ではなく、唯一問題を解決できるのは原子力潜水艦しかない。今すぐに開発に着手しろ!!! 私たち韓国人なら3年後に間に合わせることが可能だ。 共感004 非共感000 イージスBMDは既に追加建造されるイージス艦に搭載される予定だ。いつまで盾にばかり予算を投資するのか? 中国や日本が反発しても無視すればいい。原子力潜水艦を直ぐに建造しろ。
共感014 非共感001 予算が5兆ウォンほど必要? 国防不正がなければ、その程度の予算はいくらでも確保できるだろう。
共感002 非共感000 防御至上主義・・・ もううんざりです。
共感005 非共感001 5兆ウォンが問題なのか? ベットを新しくするだけで6兆ウォン以上使うのに???
共感002 非共感000 本当に久しぶりに見るまともな国防記事、ありがとうございます。 共感002 非共感000 BMDを構築し、原子力潜水艦の開発も並行して行えば良いね。
共感002 非共感000SM-3を導入するのなら、結局はMD体制に編入されることにならないか?
共感045 非共感005
どうせ導入のための議論だけ3年が過ぎるだろう。韓国はいつもこうやって時間を無駄にするんだ・・・
共感005 非共感001 原子力潜水艦の国内建造だけが3年後に間に合う唯一の方法である。他の案は全て、第三国の都合や思惑が影響するので3年後に間に合うのか保証できない。
もう、行き当たりバッタリ チョソは、 もう口から出まかせしかないなぁ〜 もう 理屈なんぞ吹っ飛んでる 国が火病ってる様にしか見えないね。 南無。